仙台高等裁判所秋田支部 昭和28年(う)297号 判決
公務員の職務は法令又は内規によると又は慣例上職務の執行に必要な範囲内において適法な行為であれば、これに基き作成する文書は公文書というに妨げないものというべきで契約金交付の条件たる証明書が正規の手続においては右の如き土木課長の合格通知によるものであり、本件証明書は便法として慣例上作成していたものではあるけれども被告人の審査すべき職務に関する証明書であり、公務員たる資格においてこれを作成したものであるから、その内容が虚偽である場合においては、刑法第百五十六条の犯罪が成立するものと謂うべきである。しかして原判決挙示の証拠によれば、本件家屋がいずれも未だ工事完成せざるに拘らず被告人が原審相被告人から頼まれ融資を得んとし共謀して右慣例による本件証明書を作成したこと明かである。